はこにくみ

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映画見ました!結党!老人党

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口先だけで世渡りするには限界がある。信念の無い人間は風向きが変わるともろいもんだ。学生時代、元級長だったミヤシタタツオの信念である。タツオは昔、総理大臣になる夢を持っていた。今は引退してしまい、毎日家でのんびり過ごしている。しかし、同窓会で国会議員になったというかつての同級生に会い、現在の政治に疑問を抱くようになっていく。息子や妻に背中を押され、政治家として活動を始めることを決意したのだった。

はじめての巣鴨街頭演説は野次が飛ぶなど、全くうまく行かなかった。けれど、妻にはそんなこと言えず、大好評だったと見栄を張る。その後も少しずつ活動を続ける。そのスタンスは「我々老人にしか出来ないことがきっとある」というもの。欲もしがらみも無い老人が立ち上がり、私利私欲を追い求める政治家を追い出すことが出来ると主張する。

少しずつ高齢の支持者が集まり、タツオのことを応援するヤマシタも現れる。埼玉でヘルパーをしているチヨ、駅前のクラブを経営するシゲ。彼らから政党を作ろうと提案され、老人党の設立を決意。老人ホームの訪問や、事務所設立時の行進など、メディアからは謎の団体として注目されるようになっていく。

国会議員5名がメンバーでないと政党としては認められない。そこで、まずは仲間の数名が無所属で議員に立候補をするという作戦を立てる。しかしその実、「人が集まれば政党は作れる」と法律のことは何にも分からない能天気で大胆なタツオであった。選挙にも法律にもあまりにも不勉強だったからこんな騒ぎになってしまって。そう相談をしたところ、息子の元嫁であるアカネが選挙対策のサポートをしてくれることになった。タイミングよく国会が解散となり、タツオは出馬し、老人党の仲間が全面的なサポートを進めた。これらの動きを阻止しようとする黒幕の差し金により、傷害事件に巻き込まれてしまうが、そんなことにはめげず、タツオは「どんなに圧力をかけられても怖くない。老人という立場は、無敵だ」とまで言い放った。 

 邪魔者扱いの老人でも、ニッポンの未来のために若者のために、働く喜びを味わえる。希望を与えることが出来る、それが老人党の活動だ。この政党を立ち上げるための第一歩としての議員への立候補なのだと熱く語るタツオ。「老人がこの国の救世主となるのです!」開票結果は、7名が当選。その結果無事に老人党は結党できたのだった。公職選挙法違反等々により、既存の国会議員は次々に逮捕されてしまい、物語の結末ではタツオは総理大臣に任命されることとなる。

うまく行き過ぎるハッピーエンドには少々目をつむるとしても、現実を揶揄しているトピックに一つ一つ感心させられた。具体的な政策が出てきていないという批判もあるようだが、この映画は政治コメディ。介護される側と、介護する側の立場を反転させるようなストーリー展開は、見ているこちら側の気持ちが明るくなるようで、爽快である。お年を召した政治家や、政治や法律のことを勉強している方がこの映画を見たら怒っちゃうかもしれないけど、私は案外好きでした。